フォトカプラはどうやって使う?スイッチ制御に利用する方法のまとめ。
こんにちは、ゆき(@Yuki_no_yabo)です!
家庭菜園用の自動散水機の自作をしようとしているんだけど、ポンプへの電源供給がどうしてもRaspberry PiやNefry BTでは難しく、別途電池等から電源供給しないといけません。
その時に、ポンプへの電源を電気信号でオンオフ制御したくて色々調べたところ、フォトカプラという電子部品があることが判りました。
今回はこのフォトカプラをスイッチとして利用した場合の使い方について、備忘録としてまとめます。
フォトカプラって何?
フォトカプラは内部に発光素子と受光素子があるデバイスで、発光素子側に電圧を印加して光らせる事で、受光素子側が光を検知し、回路のオンオフを行う事ができます。
光でオンオフ制御を行うという事は、左側の回路と右側の回路は電気的に絶縁されているという事で、それぞれ独立した電源で駆動する回路間の相互の干渉を無くすことが出来ます。
また、片方が高圧電源であれば、その高圧からもう一方の回路を保護する役割もあります。
今回はこのフォトカプラを使って、ポンプへの電源供給を制御したいと思います。
フォトカプラの選定と設計の方法
フォトカプラでは左の回路でフォトカプラ内部にあるダイオードを光らせ、右側の回路のオンオフを制御します。今回の僕の使い方は以下のような感じ。
フォトカプラの選定のポイント
今回僕が使用するポンプの動作条件は以下の通りです。
定格電圧 | DC12V |
動作電圧範囲 | DC5V~12V |
最大負荷電流 | 0.35A |
最大揚程 | 3m |
Raspberry PiやNefryBTで出力できるDV5Vでも動くんですが、ポンプの揚程が足りなかったら困ると思い、9V電池で動作させる計画。
Raspberry Piの5V端子はModel Bで700mA(0.7A)まで対応しているようなので、使用する分には問題ないと思います。
選定のポイントは次の通り…かな?
- ノーマリーオンorノーマリーオフ
- 最大オン電流
ノーマリーオンorノーマリーオフ
フォトカプラに電圧をかけない時の挙動がスイッチオフ状態(電圧をかけるとオン)ならノーマリーオフ、逆ならノーマリーオンを選びます。
最大オン電流
最大オン電流はフォトカプラがオンになったときに、どのくらいの電流まで耐えられるかを示します。僕のポンプは、最大負荷電流が0.35Aなので、フォトカプラのオン電流は0.35Aを超えるものを選びましょう。ぎりぎりよりは少し余裕を持たせた方がよいかと。
僕が選んだのは東芝セミコンダクター社のTLP222AFです。秋月電子さんで100円(2017年10月時点)なり。
電圧印加前の状態 | ノーマリーオフ |
阻止電圧 | 60V(最小) |
トリガLED電流 | 3mA(最大) |
オン電流 | 500mA(最大) |
オン抵抗 | 2Ω(最大) |
入出力間絶縁耐性 | 2500Vrms(最小) |
ドキュメントは東芝セミコンダクター社からダウンロードできます。
フォトカプラを使った電子回路の設計方法
それでは電子回路の設計に。
TLP222AFのドキュメントを見ると、純電流IFを入力側に流せばよいという事が判ります。その推奨動作条件は5~25mA(標準7.5mA)とのことですが、今回は10mAで設計していきます。
なぜ10mAかというと、電気特性の目安がドキュメントに書いてあるからなんだけどね!
TLP222AFのドキュメントから10mAの時、発行側に生じる純電圧が最小1.0~最大1.3Vとなることが確認できます。これが非常に重要で、入力電圧(VIN)から純電圧(VF)の最大値を引いた値を純電流IFで割って抵抗値を算出する必要があります。
僕は最初これを考慮せずに設計していたら上手く動作してくれませんでした。
僕のケースではNefry BTから3.3Vの電圧入力を行うので、以下のように200Ωの抵抗になります。
この辺りのフォトカプラの設計方法については「フォトトランジスタカプラの基本特性と応用設計(東芝セミコンダクター)」が判りやすかったです。
フォトカプラをブレッドボードに配置する場合の注意点
フォトカプラには部品の向きがあります。部品のデータシートをしっかりと読みましょう。
最終的に仕上がったもの
以上までの内容を踏まえて、以下の通り回路を作成し、無事に動作することを確認しました。
サムネイル画像にもなっている以下の画像のような回路で動作を確認しました。
本当は水を出すところまでやりたかったんだけど、ホースがまだ届いていなくて断念。
次回は自動散水機完成版の紹介をしたいなぁ。
ついに自動散水機できました。
以上!
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