スマートスピーカ(AIスピーカー)徹底解説。日本発売製品の比較とオススメまとめ(12/13追記)

各社のスマートスピーカー

こんばんは、ゆきです!

AI(人工知能)が搭載されたAIスピーカー(スマートスピーカ)は欧米圏を中心に人気が出ており、スマートフォンの次を担うデバイスと注目を集めています。

日本ではAmazonのAmazon Echo(アマゾンエコー)、GoogleのGoogle Home(グーグルホーム)、LineのClova Wave(クローバウェーブ)の3シリーズが発売されました。

ここでは、日本で発売されている3つのAIスピーカーについて、できることと各社の違いを紹介します。

(2018/12/13) Amazon EchoのPrime Videoの再生/Fire TV連携について追記
(2018/12/01)Google Homeで朗読できる機能について追記
(2018/11/23)Google HomeでYoutube音源が再生できる事を追記しました

AIスピーカー(スマートスピーカー)とは?何ができる?

AIスピーカーとは、人工知能の搭載されたスピーカーです。人工知能が搭載されたことにより、人間の様々な呼びかけに応答することができるようになりました。

例えばグーグルホームであれば、次のように使います。

アイコンーゆき(左)
ゆき

OK, Google。何か音楽をかけて。

Google home アイコン
GoogleHome

Google Play MusicからJ-Popを再生します。

アイコンーゆき(左)
ゆき

Ok, Google。明日の天気を教えて?

Google home アイコン
GoogleHome

明日の東京都港区の天気は晴れです。

このように、単純に音楽を再生するスピーカーとしての機能だけではなく、音声操作によって天気予報やニュースの再生、スケジュールの確認、翻訳、判らない言葉の検索等ができます。

将来的に検索の50%は音声検索に置き換えられるともいわれており、スマホに文字を打つよりもはるかに簡単な操作が好評を博しています。

日本で発売されている主要な製品

冒頭でも述べたように、現在日本で発売されている主要なスマートスピーカーは3シリーズ。それぞれの概要を紹介します。

既に何があるか知っている方は、「発売中のスマートスピーカーの機能比較(記事内移動)」をどうぞ。

Amazon Echo(アマゾンエコー)の概要

amazon echo

Amazon Echoは北米で最もシェアを持つスマートスピーカー。Amazon製の人工知能Alexa(アレクサ)を搭載しています。

独自のビームフォーミング機能により広範囲の音が聞き取れる

アマゾンエコーは他社よりもマイクの性能が良く、遠くからでも人の声を拾ってくれます。テレビが付いている状況でもしっかり聞き取ってくれるのでストレスは少ないです。

Amazonの各種サービスとの連携が強み

アマゾンエコーはアマゾンが提供しているだけあって、Amazonでのお買い物や、Amazon Music Unlimitedなど、アマゾンの各種サービスとの連携が魅力。話しかけるだけでAmazonの注文もできてしまいます。

2018年2月には、Amazonで販売している電子書籍の朗読も可能になりました。漫画は無理ですが、文庫等が対象になっています。

日本ではまだ実現されていませんが、米国ではFire TV Stickという動画のデバイスとの連携でアマゾンプライムビデオが見れたりも。

コミュニケーション機能による音声通話・メッセージ送信に対応

Amazon Echoでは、Amazon Echo同士やAlexaアプリと通話をしたり、メッセージを送信する機能があります。

また、Echo Spotを持っていればビデオ通話まで対応しています。音声操作の簡単操作で電話をかけたり、メッセージ送信ができるため、スマホを使えない子供やお年寄りでも操作できるのが最大のメリット。

これで家族とのコミュニケーションもばっちりです。

豊富なスキルで機能拡張できます

アマゾンエコーは、スキルと呼ばれる機能拡張用のアプリケーションが提供されていること。スマホアプリのようなものだと思ってもらえばOKで、Amazon以外の会社や個人が作成・提供しています。

殆どのスキルは無料で使用可能。使いたいスキルは選んで有効にするだけですぐ使えるようになります。

スキルは有効にするだけで使えるように

例えば「全国タクシーでタクシーを呼んで」、「仮想通貨チャートでビットコイン」、「今の株価は?」等、他の企業のサービスを使えるようになります。

北米では2017年11月時点で20,000を超えるスキルがあり、日本でも既に1000種類を超えるスキルが登場しています。Line ClovaやGoogle Homeでも同様の拡張機能はありますが、最も種類が多いのはAmazon Echoです。

更にアレクサはMicrosoftのCortana(コルタナ)との連携も決まっており、Microsoftが提供するメールやタスク管理等、より仕事に密接に関わるような多くのスキルを習得する事ができるようになるとのこと。

豊富なデバイスラインアップ

他社がスピーカー+AIという製品のみの提供しているのに対し、ディスプレイ搭載型、カメラ搭載型等、多くのラインアップを提供しているのも特徴の1つ。

2018年には、日本でもディスプレイ搭載モデルが購入可能になりました。

Amazon Echoのラインアップ

>>Echo Spotを予約する(Amazon公式)

アマゾンエコーの特長まとめ

  • 高性能なマイクによる広範囲で聞き取り出来る機能
  • Amazonの各種サービスとの連携(ショッピング・音楽)
  • Amazon Echo間、スマホアプリのAlexaアプリと音声・ビデオ通話、メッセージ送信が可能
  • 音楽聞き放題サービスAmazon Music Unlimitedが月380円から利用可能
  • Amazon Musicだけでなく、SpotifyのFree/Premium版の再生が可能
  • 製品ラインアップが豊富で液晶付きの機種(Echo Spot)もある
  • ディスプレイ搭載型(Echo Spot/Echo Show)ではAmazon Prime Videoの再生が可能
  • Fire TVとの連携で、TVのオンオフやPrime Videoの再生が可能
  • 有線スピーカー接続が可能
  • Microsoftの人工知能Cortanaとの連携
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Google Home(グーグルホーム)の概要

Google Home
Google Home

Google HomeはGoogleがAmazon Echoに対抗して販売しているスマートスピーカー。Google Assistance(グーグルアシスタンス)と呼ばれるAIを搭載しています。

日本では2017年10月6日から販売が開始され、招待性で普及が遅れているアマゾンエコーを横目に日本で最も普及しているスマートスピーカーです。

音声認識の精度が高く、話者認識もある

Google Homeは、音声AIの聞き取り精度が高いのが特長。

英語ではAlexaの方が2年先行していたにもかかわらず、Google Homeの方がより高精度で聞き取ると評判です。この辺りはスマートフォンでの経験が活かされていますね。また、多言語展開という点でも、Googleに一日の長があります。

誰が話しているかも認識する事が出来るため、利用者毎にサービスを提供する事ができます。例えば、1日のスケジュールを聞いたときに、声だけであなた自身のスケジュールを回答してくれたり、音楽の好みも使い分けてくれます。

音楽再生の選択肢が豊富

スマートスピーカーで最も重要な機能の1つである音楽再生。

グーグルホームだけが使用できるGoogle Play Musicは5万曲まで自分の持っている曲をアップロードすることができます。これによりグーグルホームの音楽再生機能で自分の持っている曲を再生することができます。ちなみにGoogle play musicに加入していると、Youtubeの音楽も再生できます。

他の聞き放題サービスではB’zやジャニーズ等の曲を聴くことはできませんが、グーグルホームでは自分で持ってさえいればOK。

また、Spotify Free版の再生もできるため、音楽聞き放題サービスを無料で利用することも可能なんです。

Google検索やGoogleマップとの連携が強力

Google検索で培った検索機能は音声アシスタントにも活かされていて、多くの質問に答えることができます。〇〇は何?××は誰?といった言葉の検索から、近くのお店、単位換算等非常に多くの事ができます。

さらにGoogleマップのように経路情報・渋滞情報・店の場所や行き方を精度良く検索することもでき、この辺りの機能は他社の追随を許しません。経路検索した情報をマップと連携することもできます。

Amazon Echoに対抗して拡張性も強化

グーグルホームの弱点と言えば、他社との連携が弱い事でしたが、2018年頭に改善済み。Amazon Echoとそん色ないほどのアプリケーションが提供されています。

どんなアプリがあるかは以下で確認することができます。

Google アシスタントの機能(Google公式)

グーグルホームの特長まとめ

  • 日本語の音声認識の精度が高い
  • 話者認識による話し手ごとの対応が可能
  • Googleの各種アプリケーション(Google検索やGoogleマップなど)との連携
  • 特に車・電車・フライトの経路検索の機能が強い
  • Google Play Musicは自分の持つ曲をアップロードできるため、好きな音楽がかけられる
  • Google Play Musicだけでなく、SpotifyのFree/Premium版やYoutube音源の再生が可能
  • Chromecastとの連携で声だけでNetflix/HuluやYoutubeの操作ができる
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Clova Wave(クローバウェーブ)の概要

Line Waveの外観
Line Waveの外観

Lineは自社開発したAIプラットフォームClova(クローバ)を搭載したスマートスピーカーClova Waveを日本で販売しています。Google Homeの1日前に販売が開始されました。

Lineのメッセージ・通話機能が強い

Clova WaveではLineアプリとメッセージのやり取りをすることができます。例えば、クローバに「〇〇さんに××とメッセージ」と言えば、〇〇さんのLineアプリに××というメッセージが通知されます。

勿論メッセージの読み上げも可能なので、子供とのやり取りや手が離せない時に活躍する機能です。

また、廉価版のClova Friendsでは更に通話機能もサポート。Lineの音声通話機能で電話をかけることができるんです。これは他のスマートスピーカーでは実現されておらず、クローバの最大の強みと言えるでしょう。

残念ながらClova Waveではハードの制約により通話機能は実装不可との事ですが、その辺りは第二世代に期待です。

バッテリーが付いているため、屋外へ持ち運びやすい

クローバはどの機種もバッテリーを標準装備。ほかの製品では電源も確保しなければなりませんが、クローバなら屋外の持ち運びやすいんです。

ただし、屋外でも通信環境は必要なので、Wi-Fiルータは必要です。

本体に付属する音楽聞き放題サービスの特典が豪華

Clova Waveは2018年1月31日まで通常980円/月の聞き放題サービスが1年間無料でついてきます。Clova Friendなら半年間無料。

これは実質本体価格の大半が値引きされているようなものであり、圧倒的なコスパなんです。

日本語の認識精度がやや劣る

ただ、日本語の認識機能がまだ発展途上で中々思ったようにクローバを操作することができません。また、Google HomeやAmazon Echoと比べると、出来る事が少ないです。

ただ、スマートスピーカーの基本機能をすべて使う事は殆どないので、自分のライフスタイルにあっていればクローバーも全然ありです。

(2018/08/09)ClovaにもGoogle HomeやAmazon Echo同様、スキルが追加できるようになりました。これでできることが飛躍的に増えました。

クローバーウェーブの特長まとめ

  • 音質が発売中の製品の中で最も良い
  • メッセージアプリLineの送受信が可能
  • Clova Friends限定だが、音声通話も可能
  • バッテリーを搭載しているため、電源の無いところでも動作可能
  • 赤外線リモコン機能により、TVや電気の操作が可能
  • 聞き放題サービスのチケットが付属されておりコスパが良い
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発売中のスマートスピーカーの機能比較

冒頭でも述べたように、日本ではAmazon Echo、Google Home、Clova Waveの3製品が発売されています。それぞれの製品をざっくりと比較してみます。

各社スピーカーのハードウェア性能比較一覧

ハードウェア性能の比較は次の通り。

項目 Amzon Echo Google Home Clova Wave
音声AI Alexa Google Assistance Clova
価格 Echo :11,980円
Echo Plus :17,980円
Dot :5,980円
Echo Spot:14,980円
Echo Show:27,980円
Google Home :14,000円
Mini:6,000円
Clova Wave:14,000円
Clova Friends:6,750円
音質
TVとの連携 Fire TV Stick Chromecast 赤外線による操作
スマートホーム連携
Zigbee 等

OpenHAB 等

(対応機種が少ない)
Bluetooth
スピーカとして利用
Bluetoothスピーカーへ発信 ×
有線スピーカー接続 × ×
バッテリー × ×

スピーカーとしての性能である音質は、Clova Waveが現在のところ最も優れています。Amazon EchoはGoogle Homeよりは良いですが、Clovaよりは劣る感じ。

Google HomeとAmazon Echoの大きな違いは、Amazon Echoは有線スピーカー接続が可能であるという点。これ以外は特に違いはありません。

(3/29追記)Google HomeはBluetooth出力にこれまで対応していませんでしたが、ついに対応しました。音楽再生のみスピーカー等で出力できます。

Clova Waveは最も重要な聞き取り機能が弱い点と、スマートホーム関連機能がなく、他2つと比べると機能に劣る印象です。

各社のAI(人工知能)ができること

AIスピーカーの機能は搭載されている人工知能の性能で決まります。現段階の各社の対応状況は次の通り。

項目 Amzon Echo Google Home Clova Wave
音声AI Alexa
Cortana
Google Assistance Clova
音声認識の精度
音楽の再生 ・Amazon Music Unlimited
・Spotify
・dヒッツ
・うたぱす
・AWA
・Google Play Music
・Spotify
・うたぱす
・Youtube
Line Music
ニュース・天気予報
ラジオ
Tunein、Radiko(プレミアム)

Radiko
アラーム・タイマー
言葉の検索
店情報の検索 ×
スケジュール登録・確認
Google,Microsoft,Apple

Googleのみ
リマインダ
ショッピング × ×
本の朗読 〇(Audible,Kindle) 〇(Play books)
昔話・落語・童話
スマホを探す Android/iPhone Andoroid ×
動画再生
(テレビとの連携)
Amazon Prime Video Youtube
Netflix
Hulu
※Chromecastが必要
×
メッセージ送信・読み上げ ×
電話 ×
アプリの追加・開発
Alexa Skill

Actions on Google

Clova skill
IFTTT対応
Itのみ対応

Itのみ対応

Thatのみ対応

AIの機能が最も豊富なのは、外部スキルが1000種類と多いAmazon Echoです。ただ、使えないスキルも多く、基本機能で比較するのをオススメします。

Google Homeは主要機能のほとんどがGoogle製でいずれも高機能なのが特徴です。個人的にAIの使い勝手はGoogle Homeが最も良いですね。

Clovaは独自の路線に活路を見出しています。基本機能は見劣りするので、個人的には上記2つをオススメします。

AIスピーカー購入にあたっておすすめは?

まずは自身が利用している音楽聞き放題サービスで選ぶのが良い

AIスピーカーは音楽の再生が最も使用する機能です。音楽聞き放題サービスは月額課金であり、維持費がかかるデメリットがあります。

現段階でどの音楽配信サービスにも加入していないのであれば、Amazon Echoが最もおススメです。本体価格が安価ですし、音楽配信サービスAmazon Music Unlimitedも他社と比べて圧倒的に安い月額380円。プライム会員になったとしても、月額765円で聞き放題です。
※380円プランはEcho1台でのみ再生可能です。スマホ等でMusic Unlimitedを再生する場合は980円(一般会員)or650円(プライム会員)のプランになります。

グーグルホームとアマゾンエコーは完全無料のSpotify Free版が使えますが、無料版は好きな曲をかけにくいです。Google Play Musicは月額980円なので、少し高くなってしまうのがマイナス点。ただしGoogle Play Musicは自分の持っている曲をアップロードできる点で強みがあります。

音楽を聴かない場合はアマゾンエコーかGoogle Home

音楽を利用しないのであれば、スマートホーム端末としての利用が主になると思います。現段階でスマートホーム機能を活用するにはIFTTTは必須。クローバーはIFTTTに対応しておらず、スマートホーム機器との連携も乏しいため選択肢から外れます。

個人的にはスマートホーム用途には各種グーグルのサービスと連携しやすく、開発しやすいGoogle Homeをオススメします。

Amazon EchoとGoogle Homeのより詳しい比較については下記の記事で行っていますので、あわせてどうぞ。

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ついに日本上陸!Amazon EchoとGoogle Homeとどちらを買うべき?違いを解説します。

おまけ:海外で発売されている著名なAIスピーカー

Microsoft Invoke

Microsoft Invoke

Microsoftが満を持して発売したのが、Invoke(インヴォーク)と呼ばれるAIスピーカーです。

AIにはSurface等に搭載されているCortana(コルタナ)を使用。現時点ではできることはGoogle HomeやAmazon Echoと大きな違いはないようです。ただ、音質はアメリカのオーディオメーカーHarmanがスピーカーの製造を担当している事もあり、非常に高音質と好評。

ビジネス用途での使用が期待されていたのですが、その辺りは今後に期待したいところ。

Apple HomePod

Apple Homepod
Apple Homepod

Apple HomePodはApple製のスマートスピーカーです。人工知能にはお馴染みのSiri(シリ)が搭載されています。

他と比べると値段が高く設定されていますが、その分高機能なスピーカーが搭載されており、自動で部屋の空間情報を認識し、置かれた部屋に適した音の出力が可能になるとの事。

勿論、メッセージの送受信やAppleのスマートホーム関連のデバイスである「Apple HomKit」とも連携する事が出来ます。

現時点で発表されている内容を総合すると、音楽をもっと楽しみたい!という方に向けたデバイスと言えそうです。

2017年末に米国発売予定となっていましたが、2018年度に延期となりました。日本に来るのは2019年頃になるかもしれません。

おわりに

スマートスピーカーが出来ることは幅広く、音声スピーカーという用途に留まりません。AmazonやGoogleが描く未来は、スマートスピーカーが様々な家電やセンサーと連携し、スマートホームの管理の中枢になっていく事です。

既に国内でも企業連合でスマートホームの取り組みを進めており、スマートスピーカーとの連携にも期待がかかります。僕もスマートホームには興味津々で、音声で自動的に鍵をしめてくれたらとても嬉しいです(怠慢)。

今後どのようにその未来が実現されていくのか、今から楽しみですね!

以上!